補聴器外来

補聴器外来について

補聴器外来について補聴器外来では、難聴で日常生活に支障をきたしている・困っている方を対象に、患者さんの聴力に合わせて適切な補聴器を選択し、調整と装用指導を行います。
中等度から高度以上の難聴の患者さんが対象ですが、ライフスタイル(仕事の内容・生活環境)の違いによって、聞こえづらさの感じ方はさまざまです。難聴の程度に関わらず、お気軽に当院にご相談ください。

当院の補聴器外来は完全予約制です

それぞれの患者さんの悩みをしっかりとお伺いした上で補聴器の調整を行うため、当院の補聴器外来は完全予約制です。最初に視診と聴力検査を行って、補聴器が有効かどうか判断しますので、補聴器外来受診を希望される患者さんも、初回は一般外来を受診してください。

当院の補聴器外来の特徴

補聴器適合判定医・補聴器相談医の診察

補聴器適合判定医・補聴器相談医の診察これまで、厚生労働省認定の補聴器適合判定医師、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の補聴器相談医として、長年にわたって滋賀医科大学医学部附属病院で補聴器外来を担当してきました。
補聴器が役に立つ聴力かどうか、そのほかの治療による聴力改善の可能性はないか、どのタイプの補聴器が有効かなどを判断し、認定補聴器技能士に情報提供します。補聴器の正しい装用方法を指導し、細やかなサポートを行います。

精密な聴力・補聴器適合検査

精密な聴力・補聴器適合検査補聴器は、患者さんそれぞれの聴力やニーズに合ったものを選択して、調整を繰り返す必要があります。
当院では、視診で外耳道から鼓膜の所見を確認した上で、純音聴力検査と語音聴力検査(言葉の聞き取りの検査)を行います。個々の耳の状態や、聴力、患者さんのニーズに合わせて、補聴器の機種を選択し、相談室と防音室にて補聴器適合検査を実施します。初めて補聴器を試される患者さんには補聴器を貸し出し、毎日装用していただきます。2~4週ごとに患者さんに合うように調整を繰り返し、3か月ほどで購入するかどうか判断していただきます。一般的に補聴器の寿命は5~6年です。長い期間有効に補聴器を使っていただくために、少なくとも半年に1回ほど定期的に補聴器外来に通院していただき、聴力の管理と補聴器の点検と調整を行います。

相談室を設置

相談室を設置院内には相談室を設置しました。ほかの患者さんが気にならない環境で、安心して、何でもお話いただけます。補聴器の相談と調整にもこの部屋を利用しています。

耳の仕組みと難聴の種類

耳の仕組み

耳の仕組み耳は、耳介・外耳道・鼓膜からなる「外耳」と、鼓室・耳小骨のある「中耳」、蝸牛・前庭・三半規管のある「内耳」の3つに大きく分けられます。

難聴の種類

伝音性難聴

外耳から内耳へ、“音が正しく伝わらないことで起こる難聴”です。中耳炎などが原因になることが多く、手術による聴力改善が期待できます。

感音性難聴

内耳に問題があり、“音を正しく感じ取れないことで起こる難聴”です。老人性難聴など内耳における音を感じる細胞の傷害で生じることが多く、手術による聴力改善は期待できません。

混合性難聴

伝音性難聴と感音性難聴が併発している難聴です。
補聴器はどの種類の難聴にも使用できます。ただし耳漏のある耳では使用できませんので、適切な治療により耳漏を止めるに必要があります。

補聴器を買う前に耳鼻咽喉科を
受診するメリット

補聴器は、医師の診断がなくても購入できます。しかし、耳鼻咽喉科医の診断がないと、治療が必要な耳疾患を見逃がす例や、聴力に悪影響を与える選び方・使い方をする例が認められます。
難聴の原因を特定し、適切な検査を受けた上で、自分に合った補聴器を選択・調整することが大切で、「補聴器相談医(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)」のいる医療機関への受診をおすすめします。

補聴器の種類とそれぞれの特徴

耳かけ型

耳(耳介)の上部に掛けて使用するタイプの補聴器です。さまざまなデザインや色のものが多数発売されています。外から見える補聴器を装用すると、周囲の配慮が得られるメリットがあります。耳栓の部分は既製品を使用する場合と、型取りして個人に合わせたイヤーモールドを作成する場合があります。

耳あな型

耳の穴にスッポリと収まるタイプの補聴器で、あまり目立たない利点があります。型取りをしてオーダーメイドで作成するため、ご自身の耳の穴の形に合ったものを使用します。
耳あな型補聴器にもさまざまな種類があり、目立ちにくさや必要出力に応じた選択が可能です。

ポケット型

ポケットサイズの小型ラジオのような形をした補聴器です。本体から延びるイヤホンを耳に差し込み、使用します。ほかのタイプと比べると本体が大きいため、操作が簡単です。また紛失のリスクも少なくなります。

補聴器を選ぶ時のポイント

「誰にでも合う万能型の補聴器」はありません。
聴力はもちろん、ライフスタイル、聴力に対する考え方、ニーズなどが異なりますので、患者さんご自身に合った補聴器を選択することが大切です。

ライフスタイル・生活環境

人と話をする機会の多い人と、静かな環境でゆっくり過ごす人とでは、補聴器を使用する頻度・時間、必要な出力などが異なります。
充電式か電池式か、どれくらいの時間使用できるかといったこともチェックすることが大事です。

操作性

ほとんど気づかれずに装用できる小さい補聴器もありますが、小さいとそれだけ操作方法も細かくなります。
操作性を考慮して機種を選択することも重要です。

デザイン

試聴器は耳かけ型補聴器です。装用した状態がまわりからどう見えるか、鏡を見たり、ご家族からご意見をもらって試聴中に確認してください。

価格

10~20万円くらいが一般的ですが、高級な補聴器の場合、両耳で100万円以上するものもあります。高いものは性能も複雑になりますが、高価格の補聴器を購入するよりも、患者さんそれぞれに合った補聴器を選択し、調整を繰り返すことが重要です。値段よりもご自分に合わせた補聴器を使用してください。

補聴器購入費用の一部が支給される
制度について

障害者総合支援法に基づく補助

障害者総合支援法に基づき、難聴による身体障害認定を受けている人は、補聴器の購入の際に補助を申請することができます。

対象者

難聴による身体障害認定を受けている高度難聴者

滋賀県・大津市による補助

滋賀県では、「言語の習得や社会性の向上を進めて健全な発達を支援すること」を目的として、上記の障害者総合支援法の対象とならない、軽度~中等度の難聴の子ども(18歳未満)が、補聴器の購入の際に補助を申請することができます。申請は滋賀県では滋賀医科大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科または滋賀県立小児保健医療センター耳鼻いんこう科の医師に限られます。これに該当する場合はご紹介いたします。

対象者

18歳未満であり、以下の①~④の要件をすべて満たす方

  1. 保護者が滋賀県内に在住である
  2. 原則として、両耳の聴力レベルが30デシベル以上、70デシベル未満であり、障害者総合支援法の補装具費支給の対象になっていない(※)
  3. 補聴器の装用により言語の習得等一定の効果が期待できることが指定医師の意見書によって認められている
  4. 同一世帯に、直近の市町民税所得割額が46万円以上の人がいない

※指定医師が装用の必要性を認めた場合には、30デシベル未満であっても対象となります。

補聴器ご相談の流れ

1診察・検査

診察・検査初めに当院一般外来を受診してください。
診察・検査を行い、難聴の原因を調べます。補聴器が必要あるいは有効かどうかを検討するため、純音聴力検査と語音聴力検査(言葉の聞き取りの検査)を行います。
※治療が必要な耳疾患が見つかった場合には、その治療を優先します。

2補聴器の必要性の確認

補聴器の必要性の確認診察・検査結果をもとに、補聴器の装用が必要であるか、補聴器装用により効果が得られるかを医師が判断します。ご本人の補聴器装用への意欲も重要です。

3補聴器の試聴・購入

補聴器の試聴・購入補聴器が必要と判断し、装用希望があれば、補聴器外来を予約します。補聴器外来では、聴力データをもとに貸し出し機種を選択し、個々の聴力に応じた調整を行って、試聴していただきます。補聴器は眼鏡とは異なり、検査データを見て調整したものが完成形ではありません。しばらく聞いていなかった生活音が補聴器を介して入ってきますので、音に慣れるトレーニングが必要です。また、聴力検査結果だけでは把握できない細かい調整を繰り返します。実際に補聴器を装用して生活し、ご確認いただきながら、2~4週間ごとに補聴器を調整します。機種を変更して試聴を継続することも可能です。試聴期間は最大3か月です。その上で、補聴器の装用をご希望される人に購入していただきます。

4アフターケア

アフターケア定期的に聴力の評価と診察に通院していただきながら、補聴器の点検、調整、使い方のアドバイスなどを行います。補聴器の不具合が生じた場合にも、お気軽にご相談ください。

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